はじめに

2. 被害地震からの教訓

東日本大震災における各地の震度分布

東日本大震災における各地の震度分布

2011 年東日本大震災では広域にわたって震度6 弱以上の揺れが観測され、津波被害のみならず揺れによる被害も多くみられました。
内閣府の調べでは、建築物の被害だけでも約10 兆4 千億円であるとされています。
さらに、この地震ではライフラインの途絶や生産施設の機能被害により国内の生産活動も著しく低下し、事業継続計画の重要性が改めて認識されました。
超高層ビルにおいては、長時間にわたって揺れるとともに軽微な被害をうける建物が、関東のみならず遠く大阪でも発生し、超高層ビルや免震ビルなどの長周期構造物の安全性照査も注目されています。
また、湾岸部を中心に液状化被害も多く見られ、居住者の多くが生活に困難を強いられました。
揺れの被害の中でも特徴的だったのが、非構造部材の被害です。
その中でも改めて問題になったのが、天井脱落の被害です。
これをうけて、国土交通省は法的な拘束力を持つ建築基準法施行令の改正と新しい告示を制定し、技術資料も2013年9月に公表しました。
また、帰宅困難者受け入れの要請にも絡んで、被災後の建物健全性評価の重要性が指摘されています。

天井の被害

天井の被害(耐震ネット)1)

液状化による被害

液状化による被害

さらに2016 年に発生した熊本地震においては、震度7 の強い揺れが2 度も被災地を襲いました、益城町を中心とする震源近傍で甚大な被害が発生するとともに、防災拠点となるべき役所の被害や比較的新しい建物への被害等、改めて内陸活断層地震の脅威を見せつけられました。

宇土市役所の被害

熊本地震による宇土市役所の被害

熊本城の被害

熊本地震による熊本城の被害