建設業の現状

4. 建設労働

建設業就業者数の推移

建設業就業者数は、1997年(685万人)をピークとして減少が続いており、2024年はピーク時比69.6%の477万人。

そのうち、建設技能者はピーク時(1997年464万人)比65.3%の303万人である。

2025年5月更新

職種別就業者数

技術職は減少傾向が続いていたが、2013年を底に増加に転じ、最近は30万人台後半で推移している。一方、技能職は減少傾向が続いている。

2025年5月更新

年齢階層別建設業就業者数の推移

就業者数の推移を年齢階層でみると、過去20年で29歳以下の若年層が約88万人から約56万人に減少しているのに対して、65歳以上は37万人台から80万人台へと大きく増加している。

また、中核となる30歳~49歳の層では約238万人から約177万人へと大きく減少している。

2025年5月更新

建設業就業者の高齢化の進行

建設業就業者は、2024年には55歳以上が約37%、29歳以下が約12%となり、全産業と比べ高齢化が著しく高くなっている。建設業の生産体制を将来にわたって維持していくためには、若年者の入職促進と定着による円滑な世代交代が不可欠である。

2025年5月更新

建設業入職・離職者数の推移

2000年代前半までは離職者数が入職者数を大幅に上回っていたが、2012年以降2021年までは逆に入職者が多くなった。しかし、2022年以降は再び離職者数が入職者数を上回っている。

2024年10月更新

新規学卒者の入職状況

減少が続いてきた新規学卒者の建設業への入職は、2009年の2.9万人を底に増加に転じたのち2014年以降は4万人台を維持していたが、2024年には3.8万人と11年ぶりに4万人を割り込んだ。

2025年5月更新

就業者中に占める女性の比率

就業者中に占める女性の比率は非製造業を中心に上昇し、2024年には全産業で45.5%と2002年以降最高となった。建設業は2013年以降上昇が続いていたが、2024年は前年比横ばいの18.2%であった。

2025年5月更新

女性就業者数の推移

建設業の女性就業者数は2018年以降80万人台で推移し、2024年には前年比で若干減少したものの87万人となった。

このうち技術職は、総数は少ないものの2002年以降最高の約4万人となった。

2025年5月更新

外国人材の受け入れ状況

建設分野で活躍する外国人の数は約14.4万人で、全産業の約7.1%を占める。在留資格別では技能実習生が約8.8万人と最多である。

特定技能外国人は水際措置の緩和や制度の周知に伴い、2023年には2.4万人と前年から倍増している。

2024年10月更新

労働賃金・公共工事設計労務単価の推移

建設業男性労働者の賃金は、建設投資の増加を背景に2013年以降上昇している。一方、建設業男性生産労働者(技能者)の賃金は、上昇 しているものの、製造業には及ばない。

公共工事設計労務単価の2025年度の全国全職種平均値は、13年連続の上昇となった。

2025年5月更新

労働時間の推移

我が国の労働時間は減少傾向にあり、建設業においても時間外労働時間の上限規制適用の影響などにより減少している。しかし、他産業と比較すると依然として長く、2024年は調査産業計に比べて年間約230時間、製造業に比べて約40時間長くなっている。

2025年5月更新

技能労働者過不足率の推移

建設技能労働者の過不足率は2008年から2010年までマイナス(過剰)の状況が続くも、2011年以降建設投資の増加を背景にプラス(不足)に転じた。

2017年からは都心の再開発や東京オリンピック・パラリンピック関連施設の建設により大幅なプラスが続いた。2020、21年には新型コロナウイルスの影響等で僅かなプラスにとどまるも、2022年からはプラス1.6と3年前の水準に戻った。

2024年10月更新

労働災害発生状況の推移

建設生産は屋外作業、高所作業等を伴うため、労働災害が他産業に比べ多い。安全管理について建設業界は従来から最重要課題の一つとして積極的に取り組んでおり、
近年は新たに労働安全衛生マネジメントシステムに基づく予防的・継続的活動を展開し、その成果をあげてきている。

2024年5月更新

建設キャリアアップシステムの登録状況

建設業界では、技能者ひとり一人の就業実績や資格を登録し、技術の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげる業界横断のインフラである建設キャリアアップシステムを2019年から運用している。

2025年3月時点の登録数は、技能者は約162.6万人、事業者は約19.0万社となっている。また、技能者の就業履歴蓄積数(タッチ数)は月間約526.1万タッチとなっている。

2025年5月更新