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けんせつ小町

技能者STORY

“つくる”に魅せられた女性たちの物語 日建連では、専門工事を行う協力会社のけんせつ小町も応援しています。
今回、女性技能者がどのように入職し、現在の仕事と向き合い、これからのキャリアを描いているのかを取材し、「“つくる”に魅せられた女性たちの物語」として皆様にお届けします。
未来のけんせつ小町への力強いメッセージがたくさん詰まったストーリーとなっているので、多くの皆さんに読んでいただきたいと思います。

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第9回

「『楽しい!』があるからがんばれる、続けられる!」

二階堂あゆみさん(2007年入社)

石原建設株式会社

鳶(とび)・土工
鳶は、いわば現場の「何でも屋」。どの職種よりも早く建設現場に入り、足場の組み立て、仮囲いの設置、鉄骨建て方、重量物の据付など、現場内で発生するほとんどの作業にかかわる仕事です。他の職種が安心して作業に集中できるのは、鳶がその足場や安全施設をしっかりと作っているから、ともいえるのです。そのため、「現場の女房役」とも呼ばれます。
土工は、基礎工事などで土砂の掘削、土留め、埋め戻し、コンクリート打設…といった土工事・コンクリート工事にたずさわる仕事です。建物の基礎部分を構築する作業であり、優れた土台を高い精度で施工する必要があります。
今回話を聞いたけんせつ小町は、病院の建設現場で鳶・土工としてさまざまな作業に従事し、活躍の場を広げている職人さんです。

父の勧めで転職、憧れでもあった建設業界に

鳶・土工の二階堂さんは、現在入社12年目。
高校卒業後、介護などの仕事をしていたが、腰を痛めるなどして転職を考えていたところ、配管・溶接の仕事をしている父が新聞の求人を見つけてきて、現在の会社の面接を受けることになった。
「父が、『これ、楽しそうじゃないか』と勧めてくれて。実は、汚れた作業服で帰ってくる父の姿を見て“カッコいいな”と思ってたので、もともと興味はあったんです」
建設現場に関する知識はまったくなく、どんな仕事か想像もつかないまま飛び込んだ。石原建設は、過去に女性作業員を何人も雇用した実績があり、募集の際も「男女不問」だった。
「女の人でもできるのかな、と少し不安もあったし、友人からは『やめといた方がいいんじゃない?』『大変でしょ』って言われました。でも人と違うことをするのが好きな性分なので」
「高校時代、アーク溶接の資格を取る機会があったんですよ。周囲に興味ありそうな女子が皆無だったので、取りたいって言い出せなかったんですけど、思えばそのころから何となく建設業に“憧れ”があったのかも知れないです」

イメージ配管工の父の勧めで転職した二階堂さん。

「男の世界」に飛び込んで…

入社当初は女性の先輩が数人いて、仕事内容も教えてくれたが、その後結婚などで退職。女性は二階堂さん一人になった。
「ここにいる杉浦さんに聞くしかないんですけど、最初は質問一つするのも怖かったですね(笑)」
先輩の杉浦さんにも、多少の困惑はあった。
「結局、年齢もウチの娘と変わらないから、どう接したらいいのかと…最初は教え方も変えなきゃいけないのかとか、悩みましたね。そのうち慣れてきたから、今に至ってますけど。はじめのうちはちょっとでも危なそうな作業があったら『やらなくていいよ』って気を使ってました」
一方で、二階堂さんの側にも「特別扱いされたくない」という思いがあった。
「仕事の面では、『女の子だからこれはやらなくていい』って言われるのイヤで、できるだけ『何でもやらせてほしい』って言ってましたね。今は男性とほとんど同じ仕事をやらせてもらってます」

イメージ「最初は怖かった」という先輩の杉浦さん(写真左)。
今では職長とそのサポートとして、現場に欠かせないコンビだ。
大村工事課長(写真右)も信頼を寄せる。

「女性目線」だから、できること

鉄筋コンクリート造・3階建ての当現場では、場所打ちのコンクリート打設作業が多い。石原建設・大村工事課長は、打設の際の女性ならではの配慮に期待する。
「コンクリートというのは生もので、時間との戦いの中で作業しなければならないので、打設中の細かい気遣い、コンクリートが入ってる・入ってないの確認は女性の方が向いてます。打設量が上がってきたら、汚れた鉄筋を洗ったり、型枠からこぼれた分を拭き取ったりしなきゃならない。正直、男性だったらそのままほっとく人が多いと思うんで(笑)。階段の複雑な部分のコンクリートは、二階堂がいないと収まらないですね」
現在、現場では、職長の杉浦さんを補佐する形で二階堂さんがコンビを組み、多くの作業を取り仕切っている。打ち合わせの際は、仕事の内容は杉浦さんが伝え、二階堂さんは危険な場所を教えたり、みんなの体調管理に気を配ったりして役割分担している。
「後輩を育てるにしても、杉浦さんとかは『見て覚えろ』の世代だと思います。私くらいになると“ゆとり世代”じゃないですけど、一つひとつていねいに教えないと伝わらないのが自分でもわかるので、そういうところは細かく教えないと育たないだろうなと感じます」

イメージ勤務先の石原社長(写真中央)が現場を訪れた際には、女性ならではの視点で気になったことを伝える。

「自然を感じながらできる仕事」

二階堂さんは室蘭出身。現在は現場近くの登別で一人暮らしをしている。
「他の職業と比べたら、朝早いのはありますけど、仕事の時間はきっちり決まってるし、日曜はちゃんと休めるし、そんなにキツいと思いません。夜勤があるとか、水曜が休みみたいな仕事もあるので、そういう人よりは規則正しい生活ができてると思います」
二階堂さんにとっての「現場作業の魅力」を問うと、「私にとっていちばんいいのは、ずっと同じ場所で同じ作業をくり返すっていうんじゃなくて、屋外で、晴れたり曇ったり雪が降ったり、暑かったり寒かったり、自然や四季を感じながらのびのび体を動かして作業できるところですね。それが楽しくてこの仕事をやってます と、外での作業の心地よさを強調した。

イメージ屋外作業が何よりも性に合っている、と語る二階堂さん。

「できることが増える喜び」

「玉掛作業者」「足場組立等作業主任者」「地山の掘削及び土留め支保工作業主任者」…二階堂さんが取得済みの作業資格だ。社員が資格を取得する際は、会社が受験費用などをサポートしてくれる。
「免許を取れば、いろんな仕事を任せてもらえるかなと思って。実際に仕事の幅も広がってるので、これからも積極的に取りたいです。次は建設機械(車両系建設機械技能)かな。重機に乗ってみたいので」
目標とする職人さんはという問いかけには、「やっぱり入った時から近くで見てきた杉浦さん。鳶職・土工職、どちらも全部できるすごい人だし、人に指示出したり教えたりするのもうまい。この人についていこう、がんばろうって思わせてくれる職長さんなので、目標にしてますね」と即座に答えた。

イメージオペレーターに無線指示を出しながら、玉掛けした資材をクレーンで移動させる二階堂さん。

大切なのは、やはりコミュニケーション

仕事中、大事にしているのはやはり職人どうしのコミュニケーション。
「朝礼のあととか、休み時間とか、作業について『ここはこうだった、次はこうしよう』みたいな話は常にしています。私は、今日は体調がイマイチだな~と思ったらそういうことも隠さずに言いますね」
分刻みでさまざまな工程が進行する現場において、協力会社間の調整にも重要な役割を担っている鳶職は、他職とも良好な関係を築く必要がある。
「他職の方ともふつうにしゃべるし、仲良くなります。やっぱり年上の人が多いけど、『あゆみちゃん』って呼んでかわいがってくれますよ」
今回の現場では、地山掘削の作業主任者資格を取り、土工事全般で後輩に指示を出しながら図面どおりに施工するなど、任される場面が増えてきた。
「自分ができるようになってくると、仕事の楽しさもアップしますよね。『やめようかな』と思ったこともあるけど、すぐに『わ、これ楽しい』と思えることがあるので、やめられません(笑)」
スキルアップすればやれることが多くなり、やりがいも楽しさもますます増えていく。
このサイクルがある限り、彼女は現場で輝き続けるだろう。

イメージ職業柄、高所を歩くことも日常茶飯事。
「12年やっても、怖いものは怖いです(笑)。でも、怖さがマヒすることの方が危ないと思うので、この気持ちは持ち続けようかな、と」
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