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けんせつ小町

技能者STORY

“つくる”に魅せられた女性たちの物語 日建連では、専門工事を行う協力会社のけんせつ小町も応援しています。
今回、女性技能者がどのように入職し、現在の仕事と向き合い、これからのキャリアを描いているのかを取材し、「“つくる”に魅せられた女性たちの物語」として皆様にお届けします。
未来のけんせつ小町への力強いメッセージがたくさん詰まったストーリーとなっているので、多くの皆さんに読んでいただきたいと思います。

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第8回

「“私の好き”を“私の仕事”に」

宮城史子さん(2016年入社)

平安名恵里奈さん(2018年入社)

長良通商株式会社

ダンプ運転手(だんぷうんてんしゅ)
ダンプは荷台部分が可動し、積荷をまとめておろすことができる機能がついたトラックのことを指します。主に重量のある荷物や土砂、産業廃棄物などを運搬するのに使用されます。
ダンプは最大積載量が2~4tのものが小型、5~8tのものが中型、9~11tが大型と呼ばれています。一般の道路を走る際には最大積載量が11tまでのものと定められています。大規模な土木工事現場などで使用される超大型のダンプ(重ダンプ)もありますが、これらは積載量が300t近いものまであるため、普通に町中を走ることはありません。
梱包されていない砂や土砂を運搬するため、荷物の積込みは主にショベルカーなどの重機を使って行われます。重労働を必要せず、運転免許があれば従事することが可能です。
運転免許は運転するダンプの車両と最大積載量によって、種類が異なります。最大積載量3t未満、車両総重量5t未満の場合は、普通免許で運転できます。最大積載量3~6.5t、車両総重量5~11tは中型免許が必要です。さらに、最大積載量6.5t以上、車両総重量重量11t以上は、大型免許が必要になります。

採用という名の「ご縁」

宮城さんはもともと10tダンプの運転手をしていたが、長良通商株式会社に2年前に入社した。免許を取得してからは20年以上。ダンプの運転をするようになってからは11年という。
「人生の転機もあってその都度ダンプの仕事を続けたり、辞めたりしていたのですが、2年前に友人に長良通商さんを紹介されて、ここなら10tダンプを運転できると聞いて、入社を決めました」
一方、平安名さんは父親がダンプ運転手で、親類にも同業者がいたことから紹介でこの世界に入った。
実際に採用にあたった長良通商の永岡真奈美部長は「やはり“ご縁”ですよね」と二人の採用を振り返る。
「ここの現場はプロジェクトとしては5年ほど前から始まっていますが、長良通商がこの仕事に関わり始めたのが3年前です。現場が大きくなるにつれて重機オペレータやダンプ運転手を追加募集をするのですが、やはり親戚や友人の口コミが一番大きいですね。ハローワークや求人情報誌にも広告を出しているのですが、口コミのほうが会社の雰囲気や女性が起業した会社であることなどが伝わり、採用につながることが多いです」
長良通商は本拠地を三重県に置く。平成18年に建設業として起業したが、起業者は女性。永岡部長や実際に現場に出る宮城さんや平安名さんも含め、女性が活躍している。

イメージ宮城さん(左)と採用を担当する永岡部長(右)。 ひと月に1度はかならず現場を訪れるという。

家族のなかの女性

宮城さんはいままでも同業の仕事を沖縄の会社でしてきた。しかし、長良通商が他社と違うと感じたのは「会社がきちんと組織になっている」というところだった。意見や感想を言えばちゃんと順序だって意見が上部に伝わる。この法人としての組織感が魅力だという。 平安名さんは8歳と3歳のお子さんを持つママ。
「下の子が保育園に入ったと同時にこちらに就職しました。下の子はまだ手がかかりますね。保育園で熱を出したりするときもありますが、近所に私の母が住んでいるので、協力してくれています。私が遅くなる時には主人がお迎えに行ってくれます」
長良通商はこういった出産や子育てなどがあっても、辞める方向ではなくてなるべくこのご縁を活かし続けたいと考えている。もちろん、産休・育休などの制度を整備し、働き続けられる環境をつくっている。
一方、宮城さんはこの現場に来て生活スタイルが変ったという。帰りが遅くなることがあるだけではなく、少し前まで夜勤にも従事していた。
「主人は私が好きな仕事をしているので何も言いません。工事現場内でのダンプ運転ということでむしろ安心しています。一般道は他の車輛とすれ違う量が全く違いますから。とにかく工事現場内で自分が安全運転に集中すれば危険が少ないという状況なので、応援してくれています」

イメージ永岡部長(下)は社員とのコミュニケーションを大事にしている。 平安名さん(上)も気軽に相談できるという。

連携が必要な埋立工事

現在、この那覇空港滑走路増設工事の現場では既存の滑走路に加えてもう一本増設するという工事が行われている。
埋立工事は南から1~4工区に別れており、一番南側である1工区が宮城さんと平安名さんが働く現場。
この1工区は水深があるうえ、軟弱地盤というなかなか難しい現場のため、土砂の搬入には地盤を考慮しながら行う必要があり、連携が必要な重責を担っている。
「ダンプで行き来する際は無線でやり取りしています。私は重ダンプで海砂を担当しているので、積み込みは岸壁のあたりですが、平安名さんは10tダンプで浚渫で出た土の担当をしているので仮設桟橋の方で積み込みを行います」
車輌が交錯しないように運行の指示を出すのは班長だ。
この現場に限らず、埋立の現場は埋立材料は調達が難しいことが多い。ここでは、海砂という海域で採取した土砂と浚渫土、さらには鉱山からでた土砂を運搬して埋め立てている。それぞれの動線に目をくばり、他の工区とも調整しながら工事が進められている。

イメージショベルカーから海砂を受け取る際には無線で連絡。

運転への情熱

海砂は湿気をも含み、塩分も含んでいる。そのため、新品同様の塗装で使い始めたダンプもすぐに錆び付いて赤茶色になってしまう。もちろん、山砂も雨を含めば湿気を帯びるが、海砂はいつも湿気を含んでいるのが特徴。
宮城さんが運転する重ダンプはひときわ大きい。このダンプを最初に運転するときはどのような気持ちだったのだろうか。
「入ったときはまだ重ダンプの経験がありませんでしたが、入社と同時にチャレンジしたいと思い、重ダンプを運転するようになりました。運転が好きで入ったのですが、運転するということより、大きな重機に乗れる機会が与えられ、挑戦できることが嬉しかったです。10tダンプしか知らなかったのですが、もっと大きな重機を知り、もっとやってみたいことが広がりました」
挑戦や成長を実際に体感できることがこの仕事の魅力と言える。しかし、それだけではない。「2~3日ハンドルを握らないと寂しいですね」と付け加える姿に宮城さんの運転への情熱が感じられた。

イメージ宮城さんが運転する重ダンプ。

この仕事が「好き」という気持ち

同じ仕事をしている友達との違いはほとんどなく、現場が違うということだけという。大きな車輌を運転しているので、「気を付けてね」、「ご安全に」ということだけが話題にあがるという。
「どこの現場も一緒ですね。でも、この空港の現場は、女子トイレがあり、驚きました。現場に女子トイレがあるところはいままでなかったので。女性を大事にしてくれるという感じがするので特別に感じます」
宮城さんはダンプ運転手の経験が長く、他の現場との違いを話してくれた。
朝7時30分の朝礼に始まり、仕事は5時まで。時には天候や工程の影響で、残業することもある。さらに、沖縄の夏は暑い。平安名さんは夏を思い出したように話してくれた。
「残業のつらさよりも、暑さが大問題です。日差しが大変強く、遮るところもないので、顔を覆い、サングラスと日焼け止め、水分補給は必須です」
このような天候の厳しさや、男性が多い職場ということ、さらには危険なのでは?という不安から、友人や家族から心配されることもあるという。しかし、二人とも「この仕事が好き」という自身の想いをしっかりと理解しているからこそ、「大丈夫!」と力強く答えられるという。この気持ちを根源に、女性がつくった会社が女性を育て、新しい建設業界を作り出していくことだろう。

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