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けんせつ小町

技能者STORY

“つくる”に魅せられた女性たちの物語 日建連では、専門工事を行う協力会社のけんせつ小町も応援しています。
今回、女性技能者がどのように入職し、現在の仕事と向き合い、これからのキャリアを描いているのかを取材し、「“つくる”に魅せられた女性たちの物語」として皆様にお届けします。
未来のけんせつ小町への力強いメッセージがたくさん詰まったストーリーとなっているので、多くの皆さんに読んでいただきたいと思います。

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第3回

「女性だからといって、あきらめない!」

土門南さん(2014年入社)株式会社ソーケン

飯田麻友さん(2015年入社)株式会社ソーケン

配管工(はいかんこう)
建築工事では、建物の躯体(床・壁・柱など)が出来上がると、建物内部の設備工事が開始され、建物内の各所へ水・ガスや電気を送り届けるための配管や配線工事と共に、各部屋の中で手洗い器、便器といった衛生器具の取り付けや冷暖房機器、照明器具などの取り付けが行われます。
配管工は水道管やガス管などの配管を取り付ける工種のことで、主に給排水設備、ガス設備、空調設備といった、建築設備分野の工事を行います。
今回取材させていただいた際に行っていた工事はガス温水給湯暖房システムという、ガスによって温められた温水を利用した、暖房システムのことです。近年、新築マンションでは多く採用されているシステムで、工事業者の需要も高まっています。

家族の姿に影響をうけて入った業界

取材に現れたのは身体を動かすことが好き、という土門南さんと飯田麻友さん。
土門さんは接客業に従事していたが、ご家族が建設関係の仕事という環境から転職したという。
「正直に言うと、建設業ということ以外はどういう仕事してるのかも、全然わからないまま面接を受けて、いろいろ説明を聞いて、やっと『こういう仕事なんだな』と理解したぐらいでしたが、この会社の給料や福利厚生が、すごくしっかりしていたのですぐに決めました。入社したときは本当に、知識もなくて、何もわからない状態でした。」
そんな土門さんは現在この仕事に就いて4年目。
一方、入社3年目の飯田さんは土門さんの姿をインターネットで見てこの会社に入った。
「私は保育の専門学校に行き、実際に実習なども体験しました。しかし『なにか違う』という感覚だけが残りました。自分自身が幼稚園の頃に、大工をしていた祖父の姿を見ていたせいか建築関係の仕事に興味があったのですが、男性中心の世界で、体力も必要というイメージがあり、自分がその業界に入るということはあまり考えられませんでした。しかし、インターネットで土門さんの写真とコメントが載っていて、『ここの会社なら、自分でも挑戦できるんじゃないか』と思い、入社したんです。」

イメージ土門さん(左)と飯田さん(右)

女性を受け入れるために、組織として平等を保つ

今回取材した株式会社ソーケンは、ガス給湯器やガス床暖房の敷設、配管や配線工事などを担当している。
「最初は朝早く起きて、現場に移動するということに慣れていなかったので、体力面でつらいと思うこともありましたし、初めて触る道具や機器もあるので緊張することもありました。でも、そのうちに慣れました。」と当時のことを思い出しながら土門さんが答えてくれた。慣れるまでは半年ぐらいかかったという。
受け入れる側である会社としても、女性社員の入社により、社内に変化があったという。ソーケンの早苗社長はこのように振り返る。
「先輩にあたる男性社員たちの服装やマナーは変わりました。男性だけですと、身だしなみに緊張感が生まれないときもあるので…。一方、弊社の業務は『男女問わずできる仕事』であると以前から思っていました。作業については電装関係を触ることも多く、7ミリほどの細かい配管を結ぶ作業も含まれます。“細かい部分に気が付く”という、この仕事に向いている資質を持っていることが大事なので、男性、女性という差はありません。」

もちろん、土門さんも飯田さんも細かい作業やものづくりが好きだという。ソーケンは、そういった女性技能者ひとりひとりの良さを組織として受けれるとともに、評価やキャリアアップのための支援は男女問わず行い、組織全体で平等というスタンスを大事にしている。

イメージ早苗社長(右)と内山チームリーダー(左)

自分で考えて、動く。

取材日はちょうど床暖房の床下配管の工程で、手際よく作業を行っていた。飯田さんはこの施工を担当している。
「最初は初めてのことばかりで、自分が今、何をしたらいいのかもわからず、さらに道具や材料の名前もなかなか覚えられずに苦労しました。だんだん作業に追い付いてきてからは上司の動きを見て『何故そうしているのか』を自分で考え、どうしても理由がわからない場合は質問をするなどして、少しでも疑問を減らし、自分で考えて動く、ということを大切にしています。」
さらに飯田さんは「施工の技術を磨き、さらに品質と効率の良い仕事をできるようにし、いちはやく職長という役職につきたい。」と話していた。自分に課題を課し、ストイックに働く姿勢はきっと後輩たちにも伝わるに違いない。

イメージ納得できないことはそのままにせず、
我慢しないでコミュニケーションをとりながら、
素で向き合うことが上手くいくコツだという。

情熱から生まれるチャレンジ

土門さんはこのような床暖房、浴室乾燥機、給湯器の取り付けの施工を行っていたが、この4月から異動し、補助監督として施工の管理にもあたっている。 この業界に抵抗がなかったとはいえ、補助監督に至る道のりでの苦労は想像に難くない。
「施工管理の知識もなく本当にゼロからのスタートでした。現場や上司のスピードについていくのに必死でメモを取り、どのようにやれば品質もスピードも落とさずにできるのか、自分で手順などをイメージしながら作業しました。」
仕事に手を抜かない意識は男女関係なく、土門さんの情熱そのものだろう。
「監督への昇格試験に合格して、少しずついろいろな資格に挑戦していきたいと思います。」と更なるステップアップを目指している。

イメージ空調設備工事や給排水・汚水処理などの衛生設備工事は扱う範囲が広いので関連する免許や資格の数も多く、スキルアップを目指すことができる。

現場で大切なことは報連相とコミュニケーション

現在、株式会社ソーケンには3名の女性技能者がいる。土門さんと飯田さんは現在同じ現場で働いているが、ほとんどの場合違う現場だという。
土門さんや飯田さんも環境や技術面、男性の多い職場の雰囲気など建設業特有の悩みや心配を感じることもあるそうだが、「同じ会社に女性がいるので相談しやすいです。現場に入ると女性は圧倒的に少ないですが、その分、他の職人さんから話しかけてもらえる機会も多いので、いろいろな方とお話しできるのは糧になります。」と土門さんは現状をポジティブに受け止めている。「一人で作業をするわけではないので、現場で大切なことは報連相とコミュニケーション」と土門さんも飯田さんも口をそろえて話している姿からは、チームワークを大切にしている様子が伝わってきた。

イメージ床下など簡単に手直しがきかない部分の作業となるため、図面での確認など全員で情報を共有し、ミスを防いでいる。

あきらめずに、挑戦する意志

「建設業では、技能者としての経験が、他業種と比較にならないほど価値があり、その経験を持った社員には男女ともに働き続けてもらいたいと思っています。」と早苗社長は力強く話す。
土門さんと飯田さんに、ライフステージの変化からくるキャリアプランへの不安を尋ねたところ、そろって「ないです!」という返答がきた。これは出産や育児というライフステージの変化を障害と思わない環境を社員全員でつくっている証だろう。
今回、取材に応えてくれた土門さん、飯田さんは「女性だからとあきらめずに、挑戦する」という強い意志を持っていた。この想いは次に入ってくる後輩たちにもきっと伝わっていくに違いない。

イメージソーケンのみなさん。配管のあとの試運転までの幅広い業務をチームで行う。

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