会長等コメント

2017.01.06

平成29年 年頭所感

一般社団法人 日本建設業連合会
会 長   中 村 満 義

 平成29年の年頭にあたり、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

 昨年を振り返りますと、熊本地震や鳥取地震、夏の台風被害など大規模な自然災害が多発した年でありました。被災された方々とご関係の皆様には心からお見舞い申し上げます。
 日建連は、建造物の防災・減災対策はもとより、災害協定に基づき発災直後から応急復旧や技術者派遣などの支援活動を行ってまいりました。あわせて、インフラ整備を通じて安全・安心な国土づくりに向けて業界一丸となって取り組む決意を新たにしたところです。今後も、災害対策基本法に基づく指定公共機関となった日建連として、一朝事あらば総力を挙げて対応してまいります。
 また、このような建設業界の持つ社会的役割を今後も果たし続けるためにも、一昨年春に公表した「再生と進化に向けて――建設業の長期ビジョン」に若者を中心に90万人の新規入職者の確保と35万人の省人化という目標を掲げ、担い手の確保・育成と生産性の向上を両輪とする各取組みを推進しているところです。
 社会保険未加入対策の推進、賃金の改善、雇用の安定、休日の拡大、重層下請構造の改善、女性の活躍推進など、建設技能者の処遇改善や働き方の改革に関する取組みは着実に前進しており、本年も、国土交通省をはじめとする関係機関のご指導を得ながら、これらの活動を一層加速させていきたいと思います。
 特に、技能に見合った処遇の確保と資質の向上を図るための基礎インフラとして構築が進められている「建設キャリアアップシステム」については、「建設キャリアアップシステム推進本部」を設置し、官民一体となった活動を推進してきましたが、本年秋の運用開始に向けて、これまでの知見を元に積極的に協力してまいります。
 生産性の向上に関しましては、国土交通省が昨年を「生産性革命元年」と位置付け、i‐Constructionを中心にさまざまな施策に取り組んでいただきました。日建連においても「生産性向上推進本部」を立ち上げ、昨年4月、建設業界と建設企業が一丸となって生産性向上に取り組むための指針である「生産性向上推進要綱」を策定いたしました。
 本年は本要綱に基づく活動を積極的に推進するとともに、優良事例の公開やガイドライン、マニュアル等の作成、講習会の開催などを通じて、会員企業はもとより、わが国建設業界全体の生産性向上に貢献してまいる所存です。
 あわせて、東日本大震災からの復興・創生、福島第一原発事故の対応、環境対策、工事事故の防止、品質の確保・向上、広報活動など従来から行ってきた諸活動についても、引き続き積極的に推進してまいります。

 本年も、皆様とともに、建設業の魅力の向上と持続的な発展に向けて、微力ながら努力してまいりますので、皆様方のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 最後になりますが、皆様方のご健勝とご多幸を祈念して、年頭の挨拶とさせていただきます。