「BCS賞」は、「優秀な建築物を作り出すためには、デザインだけでなく施工技術も重要であり、建築主、設計者、施工者の三者による理解と協力が必要である」という建築業協会初代理事長竹中藤右衛門の発意により昭和35年(1960年)に創設され、以後、わが国の良好な建築資産の創出を図り、文化の進展と地球環境保全を寄与することを目的に毎年、国内の優秀な建築作品の表彰を行っております。
なお、第52回(2011年)からは建築業協会の合併に伴い、新団体の日本建設業連合会が表彰活動を引き継いでいます。
第63回BCS賞には、多くの地域から、78件の応募がありました。建物用途は複合施設(14件)が最多で、そのほか、学校施設(11件)、事務所ビル(10件)、官公庁舎等施設(9件)、ホテル(5件)、図書館、スポーツ施設(各4件)、病院・医療施設(3件)、博物館、美術館、文化会館、劇場、商業施設、福祉施設、工場等となっています。
BCS賞の選考は、まず選考委員12名による第一次選考が実施され、第一次選考を通過した作品に対して、選考委員による現地調査と学識委員による専門分野評価を実施いたしました。
今回もコロナ禍での現地調査となりましたが、現地での建築主、設計者、施工者等からの実際の作品に即した説明や質疑を踏まえ、選考委員全員による合議での厳正かつ詳細な審査が行われ、多彩な用途の受賞作品15件が選ばれました。
BCS賞の特色の一つは建築主・設計者・施工者による「三位一体」を重視するところにありますが、今回も、建築主の熱い想いを設計者・施工者がその技術や叡智を結集して具現化した作品が多くありました。特に、利用者に寄り添い、配慮された建築物や、エネルギー効率や自然共生に配慮された建築物が多く選ばれ、建築文化の進展に寄与する意欲的な作品が選出されました。